破裂済み卵胞から体外受精に成功

不妊治療における「採卵」は、成熟卵胞に針を刺して吸引によって卵子を体外に出します。

卵胞が破裂して排卵してしまうと採卵ができないと言われていたため、点鼻薬や注射(黄体ホルモン抑制剤)で排卵を抑制し、採卵日に備えたわけです。

しかし、千葉大学大学院医学研究院の生水真紀夫(しょうずまきお) 教授と Natural ART Clinic 日本橋(寺元章吉理事長)の共同研究グループは、従来の体外受精では利用されてこなかった「排卵済み」とされる卵胞から高い確率で卵子を回収できることを見いだし、その卵子を使った体外受精に成功しました。

研究グループは、破裂済み卵胞の全てが卵子を押し出しているわけではないことを突き止め、破裂済み卵胞を穿刺・吸引することで、高い確率で卵子を回収できることを示しました。587 名の不妊症の患者さんの破裂済み卵胞を穿刺し、255 名(43%)から卵子を回収できました。この 255 名に体外受精を実施したところ、28 名(11%)に健康な新生児が生まれました。

また、40%以上もの卵子が破裂後も卵胞の中に留まっていることが判明したことから、今まで原因不明とされていた不妊の中には、卵胞が破裂しても卵子が押し出されずに無排卵」となっている事象が含まれている可能性が示されました。

今後は、体外受精に利用できる卵子の数が増えることで、体外受精の機会が増え、妊娠率が高まることを期待できるのではないでしょうか?

個人的には、空胞と呼ばれるような卵子を有さない卵胞の存在がどのような意味を持つのかを知りたい。

原典:Prematurely ruptured dominant follicles often retain competent oocytes in infertile women,Scientific Reports 掲載はOct.21,2019

日本語出典:https://research-er.jp/articles/view/83416

母乳栄養児におけるビフィズス菌優勢な腸内フローラが形成される仕組みの一端が解明

少し古い記事ですが、見つけたのでアップ。

研究記事の引用ですから、出どころはしっかりしていると思いましたので、記事にしてみました。

ただ間違えて欲しくないのは、当センターとしては、母乳が出たら出たで良いし、出なかったら出なかって良いと思っています。

助産師さんのよくある「母乳信仰」、強烈な宗教じみた「母乳教」のような立場ではないことだけ付け加えておきます。

 酵素の立体構造が云々という研究内容ですが、詳しいことを理解するというより、この論文の説明の中にある情報に目を向けていただき、論文の導き出す結果ではなく、知識として持っていて欲しいことは以下の点にまとめられます。

1.授乳を開始するとビフィズス菌優勢な腸内フローラが形成されるが、離乳と同時にビフィズス菌優勢な腸内フローラは消滅する。

2.完全母乳で育てた乳児の糞便と、混合乳で育てた乳児の糞便では、ビフィズス菌の数は明らかに完全母乳の乳児の糞便の方に多い。

3.ヒトの母乳に含まれるオリゴ糖(母乳オリゴ糖)を利用するための酵素は、ビフィズス菌のみ有する。

 ビフィズス菌は、1899年にパスツール研究所のTissierによって、母乳栄養児の糞便に多くみられる細菌として単離されました(単離とは色々混ざっているものから、単一のものを抽出すること)。古い研究がいまだに生きているわけです。

 そして授乳を開始すると、すぐに乳児の腸管にはビフィズス菌優勢な腸内フローラ(腸内細菌叢)が形成されます。しかし、離乳と同時にこのビフィズス菌優勢な腸内フローラは消滅します。よって、人間の母乳の中にはビフィズス菌を増やすなにかがあると予測されていましたが、そのシステムは解明されていませんでした。

 そこで研究グループは、人の母乳に含まれるオリゴ糖(母乳オリゴ糖)を利用するための酵素(母乳オリゴ糖分解酵素)をビフィズス菌のみが有していることに着目して研究を進めてきました。今回の研究では特にラクト-N-ビオシダーゼという、母乳オリゴ糖の中でも含有量の高い、ラクト-N-テトラオースというオリゴ糖に作用する酵素に着目して研究を行っています。

 京都府内の助産院の協力を得て、完全母乳で育てた乳児の糞便と混合乳で育てた乳児の糞便を解析したところ、ビフィズス菌の数が完全母乳栄養児で有意に多いこと、またラクト-N-ビオシダーゼの遺伝子数も有意に高いことを見出しました。次に、X線結晶構造解析によりこのラクトN-ビオシダーゼの立体構造を解明することで、そのユニークな構造特性と詳細な反応機構を明らかとしました。ラクトN-テトラオースというオリゴ糖は、様々な霊長類の乳中でも人乳にのみ特に多く含まれている成分です。また、ビフィズス菌はヒトの乳児に特徴的に多く生息する細菌です。このことから、ヒトはその乳児期に積極的にビフィズス菌と共生するという進化をとげ、それを支えたのが母乳オリゴ糖であることが推察されます。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170407_1.html

リンク先記事内にPDF資料あり

女性側に理解して欲しいこと

生物的に考えると、男(オス)とは切ない生き物のような気がします。

交尾の後に食べられてしまう昆虫もいれば、アンコウのようにメスの身体に食いついた状態で「同化」してしまう種類もいます。

血の繋がり」と考えると、実質「母子関係」だけが直接の「血の繋がり」になります。

また、子供の身体の100%は母体から作られます。

要するに男(オス)は遺伝子のみの提供です。

しかも物凄い数の精子から、卵と受精できるのは原則1匹。

並々ならぬ競争の果てに散りゆく精子が多いのですが、これがまたデリケートなところもあります。

男性の場合、ストレスに弱い傾向があるようです。

不妊外来などで「活動率」を調べる訳ですが、50%を超えていた活動率が、数日の残業が続いたことによって20%を切ることもよく見られます。

また、タイミング法で治療されている方の場合、カレンダーについた◯印によって、詰め寄られているような気持ちになったりします。

そんなことで?

と思われるかもしれませんが、それが現実です。

また、精子は6ヶ月という長い時間をかけて作られると言われています。

また、生まれくる子供の健康には、男性の運動習慣が影響するという研究結果も出ています。

そんなことを今一度確認しあっていただき、夫婦ともに地ならしをして意思を同じ方向へ向けてもらえれば良いのかと思います。

男性側とご家族に理解して欲しいこと。

「もうそろそろ、子供もいいんじゃない?」

「どこどこの家で孫ができてね…」

「孫は可愛いみたいだよね!」

「あそこに子宝祈願してきたら?」

まぁ、普通の会話に聞こえるかもしれません。

嫌味でいう方もいなくはないでしょうが、基本的に悪気はありません。

しかし、その悪気のない一言は、不妊に悩んでいる方にとって最も心が痛む言葉なのです。

不妊治療が長引くほど、パートナーの実家にはいきたくはないのは当たり前。実は、自分の実家にもいきたくないと言われる方も少なくないのです。それを

「うちの息子ときたら、顔を出しやしない。嫁も来やしない。」

と感じないでください。言わないでください。

ホルモン剤を投与する。

採卵するもしくは採卵できない。

移植するもしくは移植できない。

着床しない。もしくは妊娠反応は出たけど育たない。

心音聞こえない…などなど。

要するに

女性は連続して傷ついている

ということです。

ご存知かと思いますが、毎日病院へ通わなければいけなかったり、毎日自己注射やパッチを貼らなければならなかったり、ホルモン剤の服用で辛い思いをしたり。

これだけやったのだから今度こそは!

と思ってもうまくいかない。

肩を落とすパートナーや実家の声、そして周囲の人からの何気ない言葉が耳に残る。

思った以上に傷つき続けているのです。

お腹の中では、複数の卵が育っては消え、育っては消え。

最後に残った数個のうちの「一番いい卵」とは限らないものから排卵する訳です。

ただでさえそうなのですから、だからこそ、妊娠の確立というのは尊い確率なのだということをご理解ください。

男性陣にお願いしたいこと。

男性としてパートナーとして、少しでも身に覚えがあるのなら改めてください。護れるのはあなたしかいないのです。

ここで協力できなかったら、出産に至った後に必ず子育て参画でぶつかると思います。そう、あなたの行動は、理解しがたいことにしか映らないからです。

だからこそ、人生のパートナーへの思いやりをお願いしたい。

そう思います。

からだと心、そして魂のつながりを

不妊治療を開始する前に、まず考えてほしいことがありますので、今一度確認してみてください。

  • なぜ子供が欲しいのですか?

これは一番大切なことですが、考えたことありますか?

子供を作ることが人の営みとして当たり前のことだから?

それだけですか?

本当にそうですか?

世間体?

親御さんからの希望?

人は何かの為に生まれてくるといいます。だから子供の居ない人生でも、居ないからこそできる何かが有る訳です。

今一度、自問自答だけでなく、ご夫婦の共通話題として考えてみてください。

  • 区切りは決めていますか?

タイミング法だけならまだしも、人工授精や体外受精と階段を上がっていくと、莫大な金額がかかります。

体外受精で全て1回で成功の場合、安いところを探しても40万はかかります。何度もチャレンジすると高級外車が何台も買えるくらいの金額です。

まぁ、お金のことだけなら稼げばいい。問題ない。

パートナーの方やご家族がが忘れてしまうことで一番問題なのは、女性側の負担なのです。

採卵や移植に至るまでのホルモン補充、毎日の節制、通院への仕事のやりくりや時間の負担。更には家事など計り知れないほどのストレスがかかります。

そして、無事に授かったとしても、妊娠してからが長いのです。

出産して走り回る子供を追いかけたりの育児する体力がありますか?

夜な夜な3時間ごとに起きて授乳できますか?

夜泣きばかりでも大丈夫ですか?

体力が持ちますか?

パートナーが思ったような育児や家事に参加してくれなくても、それに対してイラつかない、あるいはしっかりと教育することができますか?

そう考えると、ある程度の年齢も考えなければならず、いつまでも続けるわけにもいきません。

  • 子供のいる・いない生涯設計作っていますか?

区切りをいつまでにするか?ということにも関係しますが、

「子供がいる生涯設計」と

「子供がいない2人だけの生涯設計」は、

いつどうであれ、次の段階へスムースに移行する為には必要だと思います。

「今は不妊治療に全力で取り組むから」余計なお世話だ!

と言われるかも知れませんが、ライフプランは大切だと思います。今まで、多くの方々と携わってきたが故、皆さんにお尋ねしている限りです。

  • 子供とのご縁は魂のつながり。

とくに宗教的な話というわけではありませんが、スピリチュアルな話に近い部分かも知れません。

今、あなたが(あなた方が)置かれた位置は、基本的に横の繋がりでしょう。例外としては、親子関係。これは縦のつながりと言えます。よって、これからご縁がつなげようとしているお子さんは子孫。いわゆる下に続く縦のつながりです。

なれば、あなたは上のつながりである先祖を敬っていますか?

ご先祖に対しての問題はありませんか?

お互いの親御さんとの関係はどうですか?

「江戸っ子三代」とか「祟るも三代」などいろいろな話の中で「三代」という言葉が出ることがあります。私の解釈では、諸々のことに関して「影響」というのは三代続くからではないかと考えます。

例えばあなたが親から虐待を受けていた場合、知らずのうちに自分の子供へも同じことをやっているというケースは多々あります。本人が気づいてないことも多いです。

例えばあなたの親が親戚との仲が悪い場合、いつの間にかあなたが親戚だけでなく周りと疎遠になる方向を選ぶようになります。

では、どうするべきか?

気付いたら、気づいた人から直せばいい。「気付く」ことがまず第一歩。そして絡まったつながりは、一度解いて結び直せばいい。それがあなたを見た子供が気付いて、その行動を真似ます。

そうなれば、縦の線自体の絡まりも自然と直されるでしょう。それで子供の子供、あなたからすると孫へは、伝わらなくなります。

まず最初の整理事項、ご理解いただけましたでしょうか。

では、ここからまた不妊へのお話を始めます。

その前に…

空を見上げてください。

星は誰の上にも輝いています。

ただ、空を見上げて星を見る余裕があるのかないのか。ただそれだけの違いです。

そして貴方のアンテナを広げて周囲を感じてください。

もしかすると雲の上から、落ちてくる雨粒の陰から、あるいは輝く星の一つから、タイミングを見計らうために貴方を見つめる気配を感じるかもしれません。

そう感じるのなら、どうぞ安心して当センターへお越しください。

お待ちしています。